虚像、実像

マスコミを通じて知らされていること、マスコミから知らされないことと言うのがあることは、前から知っていましたが、こんなに乖離していることがあるとは?
三重県産業支援センター主催の”低炭素社会シンポジウム”の寺島実郎氏の基調講演を聴いて思いました。
食糧自給率の計算方法と対策。
自給率40%などという先進国はあり得ないのですが、自給率を上げる為に農業分野に厚い補助金をばらまく政策の愚。
今の日本で、決して難しくない政策をいくつか展開すれば、自給率を60%超にすることは比較的簡単だと言い切る。
日頃感じていたことを痛快に喝破されたので、溜飲の下がる思いでした。
親米派と言われる寺島氏をして、近い将来対米貿易は7%にまで減少し、圧倒的なアジアとの貿易になると言う。

こんな痛快な話をどうしてマスコミは取り上げないのだろう。
これは決して、寺島氏の私感ではなく、統計数字の動きを見ていれば導き出せることなのに。

分科会で4つの企業の報告を聞きました。
基調講演と、分科会報告を通じて感じたことは、重厚長大からスマートグリッドへの時代の移り変わりでした。
ハイブリッド車は価格が高い。
ハイブリッド車からエンジンとその関連部品を取り除けば、当然劇的に安くなる。
安くなるだけでなく、エンジンによる振動や熱から解放されると言うことは、格段に低いレベルの技術で製造が可能になる。
長距離走行や充電設備などのインフラという問題を除けば、現時点でも、格安の電気自動車というのは製造可能なのである。
1回の充電で50km走ればよい、最高時速60km/h出ればよいと言うことなら、工業高校レベルで製造可能な気がしますよね。
自分の生活を振り返れば、50km、60km/hの条件を超えるのは月に数回程度。
家族が使っている車が3台あるので、このうち1台が電気自動車であっても問題は全くないわけですね。2台が変わると、希に具合が悪いことがあるかな?と言うことです。

さすが寺島氏の話、600人程の聴衆がいましたが、みんな私のように感銘を受けていれば、確実に日本は変われますね。