明るく送るお通夜
20年来お付き合いしている仕入れ先の社長の奥さんが亡くなられました。
この社長は若くして独立したので、まだ51歳、亡くなった奥さんは家内と同い年です。
突然届いた訃報に驚いたのですが、奈良までお通夜に行くことにしました。
仕事をかなり溜めているので、車は止めて、電車にしました。電車の中でも仕事は出来ますから。
力を落としていたら、何と言って力づけてあげればよいのだろうかとかも思いながら、自分がその立場だったら、狂気の手前くらいまで行くのではないかなどと考えながら。
静に始まり、静にお通夜は終わりました。最終の列車までは、彼に付き合うつもりだったので、親族が食事をしているところへ混じって、酒を酌み交わしました。
思ったよりというか、全く冷静な彼。ビールを飲み干して、”久しぶりに飲んだ。美味いな〜””会社と病院の往復の毎日で、酒飲んでる暇なんか無かったでな”
腎臓を患った奥さんの苦しみも悲しみも、全て抱えて頑張って、お互い納得してのお別れだったんでしょうね。
美味そうにビールを飲み干す彼の表情には、安堵感さえ見えました。
駅まで私を送る車に彼も一緒に乗り込み、今夜は夜明かしで飲むで、あんたを送った帰りに酒屋で調達や。
娘さんも立派に成長しているので、すぐに困ることもないでしょう。
四十九日の法要が済んだら、また一杯やりましょう。