中小企業家同友会の全国総会
久々に全国総会に参加しました。
分科会では、東京墨田区の金属加工の会社の報告。
仕事に誇りを持っていた父親。
早くに両親を亡くし、ようやくがんばり始めたところで、工場が火事。
隣地の建設現場からのもらい火。
火事を見た数分後、不動産会社に行って、貸し工場を探す。
ポケットにあった2万円の内1万円を手付け金にして、契約。
補償交渉が済み、いざ、保証金を貰う前日で、その大手住宅メーカーが倒産。
保証金が貰えなくなるだけでなく、地上権の無くなったその土地は、借地であった為に、知らない間に転売されていた。(借地であったことすら知らなかった)
通常の仕事を終えてから、毎夜、錆びた金型を磨く。
給料も払えない。
いつも手伝ってくれるバイトの子に、“まだ若いから他でもやれる。いつでも止めて良いよ。”
“お金で働いているんじゃない。止めろと言われれば止めるけど、自分からは絶対止めない”。
パイプの不規則な曲げ加工を依頼してきた一般客。値段も厳しい。
社員に相談すると、“やろう、そして採算も合わそう”
障害を持った娘に、父親が送る誕生日プレゼントだった。
それは、介護ベッドの手すりで、どうすれば、娘が楽に使えるかを、考え抜いた父親の気持ちの固まりだった。
後日談。
そのお客様からお礼の手紙が届いた。
娘から、“今迄貰ったどんなプレゼントよりもうれしかった。ありがとう、ありがとう、ありがとう”と言う手紙を貰った。
障害を持つ娘が手紙を書くことの大変さは想像に難くない。
その娘が3回ありがとうと書いた。
父はその感謝の気持ちの大きさに感動する。
またまた後日談。
このお客様、実は某大手證券会社の部長様。
“こんなすばらしい技術とハートを持った会社がある。”という発言をされたらしい。
これをきっかけに、上場企業3社との取引が始まったとか。
誰も見ていないと思っても、きっとどこかで誰かが見ています。
陰徳はきっと報われます。