大正2年の奇跡
桑名の六華苑で同友会の県総会がありました。
第26回定時総会(満25年)と言う記念大会と言うこともあって、何とも風情のある場所での開催となりました。
明治の山林王:諸戸静六が建てたジョサイア・コンドルの作品だと言うことは知っていましたが、妙に近くにあるところへは行かない物で、初めての訪問でした。
ちなみにジョサイア・コンドルは東京大学の建築学科の前進である工部大学校造家学科の初代教授です。
受付を済ませ門をくぐると、そこには大正2年に完成した洋館が鎮座しています。
3/4円形平面の塔屋は何と曲げガラスの入った上げ下げ窓が。
しかも、スチールバンドでバランサーも繋がっています。
さすがに日よけの蔀戸は平面なのですが。
このディティールが、当時の欧州で標準だったとは、思えません。
コンドルが、日本の職人さんと作り出したのでしょうか?
スペインのアントニオガウディが精力的に作品を世に出していた時代と重なるので、ディティールの時代考証には疎くないつもりなのですが、それを日本の三重県の隣の市で見かけると、やはり驚きです。
これはもはや奇跡です。